楽な仕事だと思い始めたアルバイトで痛い目を見ました

今回の「アルバイト裏話・体験談」は、すぺくとるさん（38歳　女性　埼玉県　会社員）からの投稿です。

当時の私は大学生で、21歳でした。

今から15年くらい前の話です。

デパートのお歳暮コーナーでアルバイトを始めました

当時のデパートはもうつぶれてなくなってしまったのですが・・・今でもその場所を通りかかると思いだす、苦い思い出です。

私が通ってたのは文系の大学だったため、単位はほとんど取り終えていて、お金を稼ぎたいとデパートの催事場のお歳暮コーナーの求人に申し込みました。

正直、けっこう楽な仕事なんじゃないかと思っていたのです。

時給はその時の最低賃金とさほど変わらない、800円くらいでしたが、私には十分魅力的でした。

先輩の社員さんに、お歳暮の包装の仕方を教えてもらって、何度も何度も練習して、できるようになりました。

不器用な私でも、意外と上手にできるかも？とちょっと自信が持てました。

そのときは、まだ催事場のオープン前で、お客様への販売は行っておらず、ゆっくり、じっくりと教わって、レジの打ち方、のしの書き方も教わりました。

大勢のお客様が来店してパニックになりました

そして、催事場オープンの日。

そのころにはバイトに行くのが楽しくなっていて、ウキウキと向かったのですが、どうも催事場のようすがおかしい。

想定したよりもずっと多い、人だかりができていて・・・なんと、初日から大売出しのようなイベントをやっていたのです。

確かに、お歳暮はデパートにとって大事な商戦の場。

でも、そんなに人を集めるようなことをしなくても・・・と思いながら仕事を始めて、私は気づいてしまったのです。

「想定外」にとっても弱い人間だということに！

次から次に来る仕事を、まったく回せないのです。

注文が入って包装を始めるのですが、途中でまた注文が入ってレジを打ったり、のしを書いたり・・・

私は、お客様が大勢来られた時の対応までは教わっていませんでした。

お歳暮には、内のしか、外のしかなど確認しておかないといけないことがあるのですが、それを聞き忘れてしまったり、おつりを間違えたり・・・

包装も雑になってしまって、包装し終わって受け取り待ちの商品の中には、包装紙が開いてしまっているものも・・・

もう、自分が今何をしているのか、全然分からない状態でした。

商品を落として怒られ、贈答用のりんごが腐っているのを見落として怒られ、おつりに5,000円札を2枚渡して怒られ・・・

こんなに短期間で大量に怒られたことはないよな・・・と思うほどでした。

私は、おごり高ぶっていたのです。

今まで勉強は普通にできたし、素行はよかった。

なのに、追い詰められるとただのポンコツだったのです。

勉強とバイトは全く違います。

パッと聞かれたことに、パッと答える力が求められるのです。

すぐに走り出せる瞬発力、判断力。

これらがないと、めちゃくちゃ怒られます。

もしくは、わりとすぐにクビになるかもしれません。

短期のバイトだからと言って、ラクだとは限りません。

短期間で馬車馬のように働かされることだってあります。

シフトの自由はあまり聞いてもらえず、この催事場バイトの最中に予約していたコンサートには行けませんでした。

そのことは、15年たった今も、覚えています。

催事場バイトは、即戦力が求められます。

できないなりにやったつもりですが、今は、私の軽いトラウマとなって残っています。

私って、ダメだな・・・あのときもあんなふうだったし・・・というような思い出し方をするのです。

アルバイトで働くために必要なことをたくさん学びました

このバイトを通して学んだことは、落ち着いて行動すること。

どんなに忙しくても、大事なことを雑にすると、結果としてまたやり直しになったり、クレームになったりします。

今も、慌てやすい性分は変わりませんし、手際は良くはないのですが、以前よりは「これをお客様に売ってしまってよいものか？」といったん立ち止まる習慣は身についたと思います。

接客業はすべて共通することだと思いますが、相手のことを考えてサービスをする、これに尽きると思います。

正社員でも、アルバイトでも同じです。

最初から完璧にできる人はいませんし、よくできているように見える人でも、実は失敗しています。

失敗を減らせるように努力していけば、いつか以前よりもできる自分になれるはずです。

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